山本五十六氏の言葉
最近の若い方はこの方をご存知ない人も多いでしょうね。
「山本五十六」って誰~? なんて読むの~?という感じでしょうか(笑)。
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この方は、大日本帝国海軍で、太平洋戦争開戦時に連合艦隊司令長官を務められた有名な軍人さんです。
この方のプロフィールはここでは詳しくは取り上げませんが、軍人として、多くの部下を統率されてこられました。
その経験から、生前に口にされた数々の名言が、人材育成に悩む経営者や管理職への格言として今も伝えられています。
その名言の一つを中間管理職のあなたには、是非覚えておいて欲しいと思い、ここで取り上げさせて頂きました。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。」
如何でしょうか? 「うん、うん!」と頷きながらお読みになっている光景が目に浮かびます。
私は、何時この言葉に触れたのかは残念ながら記憶にありませんが、一度聞いただけで頭の中に入ってしまいました。
その後、自分が組織運営をしているときも、弊社の中間管理職に部下の教育の仕方を指導するときも、講演などで若い管理職の人たちに話すときも、何度この言葉を引用させて頂いたか知れません。
とても解りやすい言葉なので、今更注釈をする必要はないとは思いますが、
部下を指導するときは口先だけで教えるだけではダメで、先ずは上司である自分が手本を示して、それをやってみせて、そしてキチンと説明をしてやって、部下にさせてみる。そして上手くいったら誉めてやらないと、部下は動いてはくれないですよ。」という言葉の意味通りです。
でも、この平易な言葉が何故今の時代でも生きているのかと言えば、
「解ってはいるけれど、この通りには出来ていない。」ということなのだと思います。
恥ずかしい話ですが、部下の指導が上手く行っていなかった時代、うちの中間管理職のある人から相談を受けました。
「山本五十六さんのこの言葉は、社長から教えてもらって知っていますが、それでは具体的にはどのようにこの言葉を実践して行けば良いのでしょうか?」
私は、「何も難しいことではないだろう。現場でこの言葉通りに実践するだけで良いのだから。」「あなたは知っているだけで、やっていないでしょ!それでは誰でも上手く行く訳がないよ!知っていても行動しないと、知らないことと同じなのだから!」と、少し声を荒げて叱責しました。
また、実行したとしても、「やれ!」という命令をするだけで、上司自らはやってみせることはない。ろくに説明もしないでやらせて、部下が失敗したら厳しく叱責をする。上手く出来ても、誉めてやることはない。これではこの言葉を知っている値打ちがない。
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またある時、別の中間管理職が相談に来ました。
「この言葉を実践しているのですが、どうも上手く行かないのです。どこに原因があるのでしょうか?」「私は彼(部下)に手本を示して、やって見せています。そしてその作業の説明をしてから本人にやらせています。上手くいった時には誉めてもいるのですが・・・。」
「でも、出来るようになったからと思って一人で行かせると、クレームが出るのです!」
私は、時間を掛けてじっくりと彼の指導方法を聞きました。
そこで気が付いたのですが、問題はこの5つあるフレーズの2つ目の<言って聞かせて>の部分でした。
<言って聞かせて>の内容が、「やり方」だけを教えていたのです。きっと大半の上司や先輩はそうではないでしょうか。
それではダメなのです。
その部下の後々のことを考えれば、その仕事のやり方を教えるだけにとどまらず、「何故この作業をしないといけないのか?」という、本質の部分の理由を<言って聞かせ>なければなりません。
その肝心の部分をキチンと納得・理解させないと、部下は「ただ言われたからやっている」だけになってしまい、その内我流のやり方に変ったときには、失敗してクレームが発生します。
その人が部下に教える立場になった時には、本来の意味のあるこの工程がなくなってしまっている恐れがあります。
ですから、それ程<言って聞かせて>は重要な部分です。
ここを勘違いしている上司がとても多いのです。
そして、この文言にはまだ続きがあります。それは、
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
どうでしょうか。信頼・信任によって人は育つ。感謝をもって部下の働きを見守る。
日常の忙しさに流されている私たちにとっては、どのフレーズ一つとっても、心に突き刺さる言葉ではないでしょうか。本当に、一人ひとりの部下に対して成長を見守って行く責任があります。
上司 は、部下の大切な人生を預かっているのですから。
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