今が困難な状態に苦しんでいるのなら
「もっと吸え~!」の檄が、私を成長させました。
これは、私の高校時代のお話です。
当時、器械体操のクラブ活動に明け暮れていましたが、その準備体操の中で、
不思議なメニューが必ず入っていました。
それは、先輩の「は~い、息を吸って、そう、もっと吸って、もっと吸えっ!」との
掛け声とともに、無理矢理<深呼吸>をさせられるのです。
ただの深呼吸ではありません。
深呼吸のもっともキツくて苦しいものでした。
思いっきり吸わされ、
「もう吸えません!」「苦しいです!」
「ダメだ!もっと吸え!思いっきり吸え~!」
「はい、吐いて~。もっと吐いて~!」
「は~い、息を吸って、そう、もっと吸って、もっと吸え!」
「は~い、息を止めて~!」
「はい、吐いて~。もっと吐いて~!もっと吐け!」
それを毎回十数回は繰り返しさせられたのです。
そして、終わりの整理体操の時にも同じことをさせられました。
この目的は、始めの頃はただ言われるままにイヤイヤやっていただけなのですが、
何かの時にクラブのミーティングで教えてもらいました。
<スポンサードリンク>
この呼吸法を行う理由は、器械体操という「動と静」がはっきりしているスポーツなので、
普通以上に心肺機能を高める必要があるからだそうです。
肺活量が大きくないと、飛んだり跳ねたり、静止をしたりの<キレ>が出ないのです。
確かに、オリンピックなどを見ていても、ダラダラとした器械体操なんて考えられ
ないですよね。
私の高校入学時の肺活量は2450ccでしたが、
卒業間近の身体検査では、何と4950ccにもなっていたのです。
入学当初の2倍以上です。
知らない間にこんなにも肺が大きくなっているなんて、ビックリしました。
自分でも本当に驚きました。
もっとも、一気に肺活量が倍増したのではありません。
毎日の少しだけの「無理」が、薄紙を積み重ねるように、気が付いたら厚みが増していたのです。
でも残念ながら、その時は単純に驚いただけで、
その大切な意義を理解できたのは、ずっと後になってからでした。
その意義とは、
「自分にとって苦しいと感じる時は、
自分の能力以上の事に挑戦している時なのだ。
それがつまりは、自分の能力を引き上げて、成長させてくれている時なのだ。」と・・・。
私はその経験から、気付くことができました。
<スポンサードリンク>
苦しいときは自分が成長しているとき
若い人達にはよくこの「もっと吸え~!」の話をします。
「苦しくないのは、あなたの能力の範囲内でやっているからで、
その時は成長してはいませんよ。
でもね、本当にシンドイな!苦しいな!って感じる時こそ、
間違いなくあなたが成長している時なのですよ。だから苦しくても今を頑張れっ!」と。
確かにそうですよね。
もしも私が、継続的にそういった「もっと吸え~!」のトレーニングを受けていなくて
自分の肺活量の範囲内で、例えば2450ccのうちの2000ccで体を動かしていたとしたら
楽にはちがいなかったでしょうが、
決して肺活量はこんなに増えてはいなかっただろうと容易に想像できます。
間違いなく・・・・。
その時点では、自分にとって苦しいことでも、
やり続けてふと気が付けば、自分の能力が2倍3倍になっているような、
そのような「もっと吸え~!」に、あなたも挑戦し続けて頂きたいと思います。
苦しさに耐える力は、間違いなくあなたの貯金になり能力になります。
いきなり自分の能力の2倍は無理としても、1.1倍だったらどうでしょう。
それをやり続けることで、気がつけば驚くほどのスキルが向上しているのです。
もし、今、あなたが困難な何かに挑戦せざるを得ない状態で苦しんでいるのでしたら、
是非、「もっと吸え~!」の檄を、心にとどめておいて欲しいのです。
似たような内容ですが、山登りをされる方のお話しをお聞きしたことがあります。
いきなり、目標とする高い山の頂上を見るのではなくて、目の前5~10m先の小石や少し向こうの木々を見て
「あの小石まで歩こう!あの松の木まで歩こう!」と、繰り返し自分に言い聞かせて登山されるのだそうです。
そして気がつけば、もう間もなく山頂で、
振り返ってみれば「思えば高い所まで登って来たものだ!」との自信につながり、
疲れてはいるが更に頑張れるとのことでした。
また、「高いところから見る景色は、登ったことのない人には解らないでしょうね・・・。」とも(笑)。
シンドイと思うときや、苦しいと感じるときは、
間違いなく、現在のあなたの能力を超えたことを実行しているのです。
そしてそれが、いつかはきっとパワーアップした「あなたの本当の実力」になっているのです。
苦しいときこそ、「今、自分の能力が成長している最中なんだ!!」と。
是非、頑張っている自分を励まして、そして誉めてあげて下さい。
「仕事に行き詰まった時」【メニュー 一覧】に戻る
<スポンサードリンク>
コメントを残す