子育てで大切なこと
このカテゴリーでは、特に子どもと接する時間の長い「お母さん」についてお話ししています。
毎日の生活の中で、家事や育児にご自分のほとんどの時間を費やし、多くの気配りを必要とされてる忙しいお母さんの立場を十分理解した上で、更にステキなママになっていただける「気付き」を感じていただければとの思いで書かせて頂いています。
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私の知人に、「子どもの教育」について卓越した考えをお持ちの女史がおられます。もう二十年来のお付き合いです。
時々その方と意見交換をさせていただくのですが、意見が合うのは、「子どもの問題」ではなくて「母親の問題」であることが多いのです。
女史の言われる「子どもを教育する前に、母親を教育し直す必要がある。」との話は、厳しいお言葉ですが私自身も感じるときがあります。
以前、この女史が主催された20人ほどの小集会で、私が講師を務めたことがありました。
乳幼児を連れたお母さん相手の短いお話しでしたので、フローリングの床にペタンと体育座りで聞いていただく形で進めましたが、一人だけ最初から最後まで寝転んで、肘枕をしながら私の話を聞いている女性がおられました。決して体調を崩しておられた訳ではないのです。
当然のことながら講演後、この女史はそのお母さんを呼んで注意をされていました。
その若いお母さんは、もともと人の話を聞く時の態度については、それ迄の人生で学ばれる機会がなかったのかも知れません。
子どもが大きくなる課程で、よく「子どもは父親の背中を見て育つ」と言われますが、私はむしろ、圧倒的に「子どもは母親の背中を見て育つ」のではと思っています。
お母さんの一挙手一投足をよく見ています。
ですから、子どもはお母さんの鏡だと思っていても間違いはないでしょう。
お母さんの生き様は、本当に、直接的に子どものその後の人間形成に反映されます。その場合、ほとんど同じような「コピー」もありますし、まったく反対の「反面教師」としての反映もあります。良い面も悪い面も含めてです。
生きる姿勢や考え方、感性、生活態度、言葉遣い、好み、性格など、かなり全人格的に映し出されるのです。
いずれにしても、お母さんそのものが子どもに対して、多大な影響を与えていることを自覚しておいて欲しいと思います。
この「子育て」を考えるとき、一番大切に持っておかなければいけない考えは、
「どのような人に育って欲しいのか?」という思いであり願いです。
よくされる相談で、「どうすれば勉強するようになるでしょうか?遊んでばっかりで本当に困っています!」という質問を受けます。
これは、世の多くのお母さん方が持っておられる気持ちでしょうが、私はこの質問に対しては「奇問・愚問・珍問」のたぐいだと思っていますので、いつも「放っておいたら、その内やり出しますよ!」と返答します。
「そんなことが解ったらノーベル賞ものですよ。」とも。(笑)
「いや、それでも何か良い方法があれば是非教えていただきたいのです!やはり塾に行かすべきでしょうかね?それとも家庭教師?」
たまに、しつこく食い下がってくるお母さんがおられます。その時には、決まってこちらから質問をします。
「ではお訊ねしますが、あなたは何故、お子さんに成績を上げて欲しいと思っておられるのですか?」
「それはそうでしょう!成績が悪いと公立には行けないし、お金も掛かるし、将来の本人の出世にも影響するでしょうし・・・。」
「成績が悪くても行ける公立はありますし、世の中には優秀な大学を出ていなくても出世しておられる方はゴマンとおられますよ!」
「う~ん。。。。。」
「お返事がないようですねww 何故、勉強しないといけないのかという考えを、お母さんがキチンと持っていないと・・・。ただ成績が上がれば良いのですか?」
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親のビジョンの明確化
実は、成績が上がることばかりを考えて、一番大切な「何のために勉強しなければならないのか?」の答えを持っておられない母親がほとんどです。
そう、「勉強をしなければならない」理由です。
よくドラマでは、「お父さんみたいにならないために、勉強しなさい!」なんてトンチンカンな理屈が出てきますが、冗談でもこんな言葉を口にするものではありませんよ(笑)。
さて、本題です。
1.まず親は、子どもに「勉強しなさい!勉強しなさい!」という前に、
<何故子供に勉強をさせたいと思うのか?>の答え(目的)を見つけておく必要があります。
ここで、親の人生観が出てきます。親の価値観によって、その答えは違ってくると思いますので、別に他人と違っていても良いから、その答え、つまり勉強をしなければならない目的を、親がしっかり持っていることが、その後の子供の勉学に強く影響を与えていきます。
ちなみに私は、<大人になってから、自由に職業選択が出来て、なりたい自分になれるため>に、そして<ものごとを考えるときに、短絡的ではなく、論理的に考えを組み合わせて熟考出来るため>に、勉強は必要だと思っていますが、これは私個人の感覚です。
2.上記よりももっと根幹的な思想ですが、親は子どもを育てるときには、<どのような人に育って欲しいのか?>というビジョンを明確に持つべきです。
ほとんどの親は漠然と、抽象的には持っています。「良い人間に育って欲しい。」というような・・・。
でも、「具体的には、どのような良い人に育って欲しいのですか?」と質問をすると、「人を思いやれる人に・・・・。」とか「他人に迷惑をかけないで生きる人間に・・・。」とか、「やさしい人に・・・・。」とかの、イメージ先行がほとんどです。
例えばですが、「リーダーシップを発揮出来る人に・・・。」とか、「好奇心旺盛な人間に・・・。」とか、「人のお役に立てる人に・・・。」とか、「人の意見も受け入れながら、自分の意見もしっかりと主張できる人に・・・・。」とか、「人の心を受け止められる人間に・・・。」とか、「自立心旺盛な人間に・・・。」といったような、具体的な話はほとんど聞かれません。
これは実は、親自身が<自分はどのような生き方をしたいのか>という具体的な考えが、確立していない人によく見られます。
子供は親の鏡でもありますので、まさに、親を映し出しているのです。
親が幽霊のように、ぼんやりとしか映っていなければ、子供も同じように育ちます。
自分の子供に「どのような人に育って欲しいのか」ということは、「どういう子に育てたいか!」という親の思想や責任につながります。
つまりは、勉強も含めて子供を育てるということは、
<子供の問題>ではなくて、実は<親の問題>なのだというところに気付く必要があります。
そこに気付いて子育てをされていけば、きっと間違いなく素晴らしい大人に育っていかれることと思います。
「親の生き方に大きく影響を受けながら育つ<本人の自覚!>」です。
塾に行きたくなれば相談してくるでしょうし、クラブも辞めたくなれば話をしてくるでしょう。
ですから勉強することも含めて、親の軸がしっかりとあれば心配をする必要はないと思います。
親自身の覚悟と言いますか、子供を愛して導く親自身の明確な軸があれば、自然とその方向へと向かっていきます。
多くの親は、それがはっきりしなかったり、覚悟が決まらず逃げてしまうために、子供が迷ってしまうのかもしれません。
一番上の画像は、自分の子どもに「幼児洗礼」を受けさせている写真です。
宗教的な議論は別にして、まさに、「親の覚悟」なのだろうと思います。
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