お金について
お金についてお話しします。
私は赤貧水で洗うが如しという言葉の通り、本当に貧乏の中で育ってきましたが、「子どもがお金の話をするんじゃない!!」と、厳しくて鬼のような母親が世間と遮断して、「お金」に関する話を私に触れさせませんでした。
ですから、お金についての知識や免疫力はほとんどありませんでした。 そのような育ち方でしたから、大人になってからはお金について随分大変な思いをしましたので失敗談は山のようにありますが、その中から、特に私にとってお金についての大きな「気付き」になった出来事をいくつか紹介したいと思います。
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貧乏生活の反動でしょうか、学校を出て働いて自分でお給料を貰う様になってからは、家にいくらかの飯代を入れたあとは、持っていたらあるだけ使ってしまい、いつもピーピー言っていました。
自慢にはなりませんが、計画性なんてまったくナシでした。
そんなチャランポランな私が、ひょんなことからご縁があって、商売を始めたのですから推して知るべしのデタラメ経営です。
当然のことながら、上手く行くハズはなく、あっという間の借金地獄。
その辺のいきさつは「回り道の人生」にも書かせて頂いていますが、誠にお恥ずかしい人生を歩んで来ました。
実に多くの方に助けてもらえたからこそ、今があります。その借金まみれの私を助けて下さった内のお一人が、ある時、こんな話を私に諭すようにして下さいました。
「君が使う1万円と私が使う1万円とは、値打ちが違うということが分かるか?」
「はぁ~? 同じ1万円ではないのですか?」
「やっぱり解っていないな!今の年商は、君とはおよそ50倍違う。ということは、君は私の50分の1だ。私が今1万円使うとしたら君が200円使うのと同じ値打ちだということだ! このことを肝に銘じて、お金の値打ちを知りなさい。収入や規模に応じたビジネスや生活を心掛けることだな!」
ガーンと頭をハンマーで殴られた思いがしました。
正直、その時は「クソ!少し売り上げが多いからと言って・・・。いつか絶対抜いてやるぞ!!」と、反発の気持ちがほとんどでしたが、この時教えて下さったのはなにも売り上げ規模の話ではなくて、金額が同じだからといって、価値も同じではないということを示唆して下さったのです。
生活もそうですし、ビジネスもそうです。
後年、この助言はお金に無頓着で無知な私にとっては、本質を突いた非常に的確なアドバイスとして私の考え方の核になりました。
「分相応のお金の価値を知る」これは生き方にもつながる話でもあります。
私がそうだったように、自分の身の丈に合わないお金の使い方をしていれば信用も無くすし、いずれ身を滅ぼすことになる。
逆に、自分にとって分相応なお金の使い方をしていれば、回りからの信用も増す。
もちろん、その人その人の人生観がありますので、お金の使い方もその人の人生観で変わってきます。
ビジネスもここ一番という時には、身の丈以上の大きなお金を動かすときもあるでしょう。
同じ高額な金額でも、しっかりとした意図があれば意味をもってくるでしょうが、それがなくて単なる好みとか見栄とかで漫然と使うお金は、結局は死んだお金ということになるのではないでしょうか。
人間社会は、洋の東西を問わず世界中がお金を使ってビジネスや生活をしています。お金ナシでは成り立ちません。
でもそのお金の使い方ひとつで、評価が上がったり下がったりするのも事実です。
「一人ひとりに存在する、分相応のお金の価値」を知り、 この支出は、「生きたお金か、死んだお金か」の判断を間違えない。
この方から教えて頂いたお金の話は、長いお付き合いの間に、これ以外にも沢山ご指導をいただきました。
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